あたし、ナナ。
まだまだかけだしだけど、魔探偵やってます☆
今日から日記をつけることにしたの。よければ見てってね!
今日は気付いたら牢屋に入ってたの。あたしどうしちゃったんだろう。何があったか覚えてないなぁ。
向かいの牢屋のおじさんがいろいろ喋っててなんだか怖い。
お洋服もだっさい囚人服になってるし手かせまでついてる。
どーしようって青くなりながら持ち物確認とかしてたら、誰かがあたしの牢屋の前にきたみたい。
兵士さんと、青い豪華なローブきたおじいちゃんだ。
ここの牢屋は使用禁止なのになんで囚人がいるんだって言ってる。何かの手違いだろうって。
そ…そうだよね!あたしまだ何にも悪いことしてないもん!
ちょっとほっとしながら成り行きを見てたら、兵士さんがあたしに下がれって言うから牢屋の奥に移動した。
牢屋の柵が開いて、兵士さんとおじいちゃんが入ってくる。
おじいちゃんがふとあたしを見て、夢に見たのはそなただったのかって話しかけてきた。
質問していくと、おじいちゃんはユリエル・セプティム皇帝だってこと、息子さんが暗殺されてしまったこと、暗殺者に追われて今まさに逃げている真っ最中だってことが分かった。
成り行きであたしも一緒についていくことになった、と思ったら、いきなり戦闘!隊長さんがお亡くなりに…しかもついてくるなって言われてあたしひとりになっちゃった!
えー!どうしよう武器も何も持ってないよー!ねえ兵士さん!おじいちゃーん!
…兵士さんたちが消えてった扉に呼びかけても反応はなし。
もう!ひどいっ!
ぷーっと頬を膨らませてたら、突然なにかが体当たりしてきた!
やっ、やだ!ネズミ!おっきいネズミが襲ってきた!やだやだこないでよー!
腕を振り回してたらなんとか倒せたけど、怖かったよ~。でもどこからきたのかしら?
周りを見てみたら、壁が崩れて大きな穴が開いている。
心細いけど、ここを行くしかないのかな。……ええーい仕方ない!女は度胸よ!
亡くなった隊長さんの剣をお借りして、暗殺者が持ってたポーションを拾って、壁が崩れて薄暗い空間が広がる先へ、足を踏み入れた。
またネズミ!あっちいってよー!なんでそんな攻撃的なの!?
剣を振り回してたらさっきよりは簡単に撃退できた。でも装備が…なにか装備がないと辛い。
周りを見てみると箱があった。その中には斧が。うーん、あたしの趣味じゃないわ…。
他にも何かないかなって進んでいくと…きゃー!ガイコツ!骨!白骨化した死体が転がってぅぅぅ!
ででででもでもっ、弓と矢をゲットできたわ!ちょっと気持ち悪いけど軽装防具も手に入った。
井戸の桶に向かって練習したらまあまあ使えた。
しばらくは剣と弓と魔法で戦っていこう。
途中ゾンビやゴブリンを倒しながらなんとか進んでいくと、再び兵士さんやおじいちゃんと会った。
殺気立ってる兵士さんをおじいちゃんが止めてくれた。殺されるかと思ってひやひやしちゃった。
おじいちゃんはあたしを信じてくれてるみたい。天の運行とか不思議な話をしている。
星座を聞かれたから塔座って答えた。魔探偵にぴったりの星座だと思うの。あたしったら生まれながらに才能があったわけね!うふふv
…やだあたしったら、こんな話しをしている場合じゃないわね。
いろいろ話していくと、どうもおじいちゃんは自分の死期が近いと感じているみたい。
一緒に進んでいくと暗殺者がどんどん現れる。この通路がバレていたとしか思えない。
暗殺者は強くて今のあたしじゃ全然かなわないから、兵士さんたちの後ろに隠れて弓をちまちま撃つくらいしかできない。
しょんぼりしながら兵士さんたちについていくと、どうやら行き止まりにきちゃたみたい!しかもすぐ後ろに敵が!
兵士さん2人は背後の敵を倒していってる。ああっ、暗殺者がひとりこっちに向かってきてる!
後ずさったあたしの手に、おじいちゃんはさっきまで首から提げていた赤いアミュレットを握らせた。これをジョフリさんに渡してほしいって言いながら。
その直後、おじいちゃんは背後からきた暗殺者に斬られてしまった。そいつは血まみれの剣を手にあたしに迫ってくる。盾で防御するけど、ダメ…こいつ強い…!あたしもここで終わっちゃうの?
あたしの後ろから、突然誰かが目の前の暗殺者に斬りかかった!暗殺者は倒れ、血溜まりが広がっていく。赤いフードがじわじわと黒く染まる。
…助けてくれたのは、兵士のバウルスさん。おじいちゃんが亡くなっているのを確認して落ち込んでいるけれど、どこかその運命を受け入れているように見えた。静かにあたしに話しかけてくる。
アミュレットを託されたことを伝えたら、いろいろ教えてくれた。皇帝一族には竜の血が流れていること、アミュレットは真の後継者だけが身につけられること、そして、最後の後継者を知っているジョフリさんのことについても。
職業について聞かれたから、あたしはちょっとためらいながら、魔探偵だと答えた。
魔探偵って、たぶんほとんど知られていない職業だから、説明するのがちょっと難しい。
剣も魔法も開錠もできるなんでも屋さんで、一歩間違うと盗賊って言われちゃうけれど、あたしはいろんなことができるようになって、その力で多くのことをしてみたい。今は、ただそれだけ…。

そんなあたしに舞い込んだ仕事は、ジョフリさんにアミュレットを渡す為、ウェイノン修道院に行くこと。
他に行くあてもやることもないし、まずはそこを目指すことにするわ。
バウルスさんに別れを告げ、あたしは下水道を通り、地上に出た。